親愛なるリスナーくんたちへ。
今日だけここだけ。言わせてくれや。 小日向がちょいちょい活動をサボるのには、一応ワケがありまして。 それは、自分で積み上げてきた過去があんまりにも醜いので、どうしても前に進めない時があるのです。 今の自分なら少しは好きになってもらえるかもしれないし、
自分自身、少しは満足してる。
でも、過去の自分は信じられないくらいクズで腐ってた。 きっとそれはこの先何年も、 打ち明ける勇気すら持てないような腐った自分の一部だ。
人に尊敬されたいと望む資格もない。
過去は過去だ。
それでも、過去は自分の一部です。
自分の境遇を言い訳にしてきたこともあった。
でも、今の自分はそんな過去の自分を許せないと思う。
ちゃんとした愛情を知らないから。とか、
安心できる居場所がなかったから。とか、
あの頃はきっと脳のどこかがおかしかったから。とか。
今思い返しても、やっぱりあの頃の自分には今の自分のような考え方は持てず、
一瞬一瞬だけしか見えず、
とにかく寂しさを誤魔化したいとか愛されてる実感が欲しいとか。
それでも、望めば望むほど乾いていき、
集めても集めても満たされることもなく。
まるで、本当に幽霊か悪魔か、呪いのような存在だったと思う。
そんなこの世の呪いのような存在は、
自分をどんどん孤独にしていきました。
嘘もたくさんついた。
自分の選んだ道を何度も捨ててきた。
そしてたくさん言い訳もした。
そんな過去を、自分が今一番嫌ってる。
そんな自分を、好きになってもらえるとも思えず。
過去の自分が残してきたたくさんの傷跡が、
今の自分が未来に向けて作品を残そうとする活動を否定する。
「自分なんかが、他のたくさんのまともな作家のように、
輝きたいなんて望むのはバカげてる。」
どうしてもそう感じてしまう。
過去は変えられない。
でも、償える。
過去の過ちの償いと、
今の自分を支えてくれてる全ての人たちのために。
残りの人生を自分のためではなく、
小さなことでも、良い行いや優しさで誰かの役に立てるように。
高い空の上からたくさんの人に降り注ぐ輝かしい太陽にはなれないけど、
せめて、苦しみに堪えきれなくなった人が飛び込んできた沼の底で、鈍くても光っておけば、
きっと何かしらの助けにはなれるかもしれないと。
本当に意味のあるものを作りたいと心から思う。
それは、自己犠牲的で立派なボランティア活動家や尊敬すべき各界の著名人を目指すってことではなくて。
誰にも認めてもらえなくても、ただのみすぼらしい自称芸術家として。
過去の過ちから新たに今の自分を生まれさせてくれた人、時間への、償いと恩返しのつもりで。
一人の無名芸術家でしかないけど、
この残りの時間を、
平々凡々と自分の欲を満たすだけで終わらせるつもりはないよ。
世界を変えられるほどの頭も力も影響力もないけど。
たまたま自分と関わってくれた人には、「穏やかなる頽廃」や「陽だまりのような温かい気持ち」みたいなものを伝えられたらな、と。
そのために、過去の呪いから立ち直ってみせる、何度でも。
長々と失礼。
《出来るだけ人の目に触れることのない暗峠から、
たくさんの人を見守ってる幽霊みたいな、
そんな役が一番良く似合う小日向珈世より。》